樒(シキミ)

常緑小高木の樒(シキミ)

シキミ科シキミ属

3月下旬に白い花を咲かせます

下向きに咲く花は、樹を見上げると花がこちらを向いてくれます

実は有毒成分を含むため「悪しき実」とされ、これが訛ってシキミと呼ばれるようになりました

果実は熟すと裂けて種子を落とす

形状が中華料理で多用されるトウシキミの乾燥実(八角)に似ることから誤食されやすい

葉は表面に光沢があり、縁は全縁

緑で美しい葉を仏事に使うため、漢字にしたときに「佛(ほとけ)」が木編に付く

葉と葉の付け根に冬芽が付く

樹皮は暗灰褐色で浅く縦裂する

 

赤樫(アカガシ)

常緑高木の赤樫(アカガシ)

ブナ科コナラ属

ドングリのなる樹

アカガシの巨木(保存樹)

アカガシの樹皮

その堂堂たる姿に興奮し感動しました!!

表面に光沢のある葉は、カシの仲間では最大

ドングリは、シマシマパンツの2年成

樹皮ではなく、木材に赤みを帯びていることからアカガシと名付けられました。

アカガシの鉋台は、今では数が少なく高級鉋で使われています

 

杉(スギ)

常緑針葉樹の杉(スギ)

ヒノキ科スギ属

日本で最も多く植林されている樹

岐阜県にある「石徹白の大杉(いとしろのおおすぎ)」

樹齢約1800年、樹高25m、幹まわり13m

高知県にある「杉の大杉」

樹齢約3000年 日本一の大杉とされています。

スギの樹皮

赤味と白太の色がはっきり分かれるスギの年輪

スギの葉は、硬く棒状で先が尖っています

ボール状の芯に刺して丸く形を整えた「杉玉」を、造り酒屋では新種ができた時に飾ります

左:神代杉 右:一般的な杉

神代杉とは、「埋もれ木」のことで地中や水の中に長い間埋没していた杉で色も変化しています

 

桧、檜(ヒノキ)

常緑針葉樹の桧、檜(ヒノキ)

ヒノキ科ヒノキ属

12月18日の誕生日木(日本植木協会)

ウッドペンクラフトでは、奈良県の「吉野檜」と長野県木曽谷〜岐阜県木曽川上流地域にわたる天然ヒノキ「木曽檜」の2種類をご用意しています

樹皮は縦に裂け、薄く長くはがれる

葉は鱗片状で先は鈍く芳香があり、裏面にはY字に見える白い気孔帯があります

*よくにたサワラの気孔帯はX字状です

球果は球形で秋に熟す

伊太祁曽神社のヒノキの鳥居です

全国の木材関係者がお詣りする「木の神様」の神社です

 

黐の木(モチノキ)

常緑高木の黐の木(モチノキ)

モチノキカ科モチノキ属

12月8日の誕生日木(日本植木協会)

この樹皮を削り取って鳥糯(とりもち)をつくるためモチノキと呼ばれるようになりました

10月上旬の実

12月中旬に公園で見付けた実

大きな丸い赤い実を沢山付けていました

1月中旬の花芽

日本庭園には欠かせない植木であり、「庭木の三大名木」とされる

*モチノキ、モッコク、モクセイ

翌檜(アスナロ)

常緑針葉樹の翌桧・翌檜(アスナロ)

ヒノキ科アスナロ属

12月31日の誕生日木(日本植木協会)

樹皮は赤褐色で縦に裂けて剥離する

日本固有の常緑針葉樹

葉は光沢のある緑色で、うろこ状の細かな葉が連なる

葉裏には白い模様(気孔線)がある

NHK朝ドラでも登場した言葉「明日は桧になろう」でアスナロ

「いつかは成功してみせる」桧より安価なアスナロを人間に例えたもの

 

椨(タブノキ)

常緑高木の椨(タブノキ)

クスノキ科タブノキ属

樹皮は灰褐色で割れが入り古くなると不規則に割れ剥がれる

木材にしたときに赤みが強いものを「赤椨」とも呼びます

葉は厚い革質で表面は光沢があり、縁は全縁です

1月中旬の冬芽の写真

大きく赤味を帯びた目立つ冬芽を付ける

1月下旬冬芽が開き始め、真ん中は2月中旬

3月下旬には花弁が6枚ある小さ黄緑色の花を咲かせる

写真のタブノキは、福井県の銘木「上村家のタブの木」です

 

木斛(モッコク)

常緑高木の木斛(モッコク)

ツバキ科モッコク属

10月8日の誕生日木(日本植木協会)

樹皮は灰淡褐色で滑らか、丸い皮目がある

近くの公園に植樹されていました

葉は質厚く光沢があり、全縁で葉脈は不鮮明

「江戸五木」の一つ(江戸時代に江戸で重視された造園木)

江戸五木→モッコク、アカマツ、イトヒバ、カヤ、イヌマキ

モチノキやマツと並び「庭木の王」と呼ばれている

三大庭木の一つでもある

(三大庭木→モッコク、モチノキ、モクセイ)

 

黄楊・柘植(ツゲ)

常緑低木の黄楊・柘植(ツゲ)

ツゲ科ツゲ属

ツゲの木材は、産地によって名前も希少価値も変わる

・アサマツゲ(伊勢地方の朝熊山で産出)

・サツマツゲ(九州の宮崎・薩摩産で産出)

・シマツゲ(伊豆七島の御蔵島で産出)

*イヌツゲ(モチノキ科でツゲとは別植物)

樹皮は灰白色から淡褐灰色で不規則な割れ目が入る

1月のツゲの樹

雌雄同株

全縁の葉は対生で厚みがあり真ん中で小さく凹む

サツマツゲの樹皮

成長に時間が掛かるツゲは、木目が細かく緻密で根付細工、櫛、将棋の駒など細工物の材料として親しまれてきました

 

桃(モモ)

落葉小高木の桃(モモ)

バラ科モモ属

3月3日の誕生日木(日本植木協会)

夏の始まりから店頭に並び始める果実

甘い香りが撮影の邪魔をして(笑)

春にピンク色の花を咲かせます

樹皮は黒くゴツゴツしており、葉は先端は鋭く伸びて尖っていました

1月の冬芽

見た目は桜の木にそっくり

木口からあふれ出る蜜がすごかったです

芯の部分を外して材料の木取をしました