小豆梨(アズキナシ)

落葉高木の小豆梨(アズキナシ)

別名「はかりめ」

バラ科アズキナシ属

11月中旬の実

外見はアズキ、中身はナシに似た実を付けることからアズキナシの名に

樹皮は灰黒褐色で、ザラザラしており縦に縞が入る

春の新葉

紅葉し落葉した茶色の葉

葉には規則正しい波状の構造で、縁は重鋸歯がある

アズキナシの「はかりのめ」という別名は等間隔の側脈が、物差しの目盛りをイメージさせるからと言われている

 

鬼胡桃(オニグルミ)

落葉高木の鬼胡桃(オニグルミ)

クルミ科クルミ属

9月20日の誕生日木(日本植木協会)

クルミは縄文時代から食べられていた木の実

日本に自生するクルミで食用となるのは本種だけ

写真は8月中旬の実の様子

不思議な形をした花で、楕円形の様な苞から赤い花柱がピョンピョンと出ています

5月上旬にたまたま見付けたオニグルミの雌花です

8月の緑まぶしい樹木

1月になると葉を散らし夏とは全く違う姿に

樹皮は灰色で縦に割れ目が入る

葉は小葉が中心軸の両側に並び、全体として1枚の葉を形成している

立派な冬芽

殻は非常に堅く、破片が鋭利でスタッドレスタイヤの素材として用いられます

その逆で木は褐色で柔らかい雰囲気に仕上がります

 

花梨(カリン)

落葉高木の花梨(カリン)

バラ科カリン属

11月4日の誕生日木(日本植木協会)

名前から、お金を「借りん」と縁起が良い樹

写真は11月上旬のカリンの実

黄色い実からはなんとも言えないこうばしい香りがします

樹の近くを通ると香りでもカリンだと分かります

樹は花も実を楽しめるのに加えて、縁起物として庭木にされている

実は堅くて生では食べれません

カリン酒、ジャム、砂糖や蜂蜜漬けにして食べられています

のど飴の材料としてもよく知られている

部屋に置いて香りを楽しむ人も多いです

3月下旬の樹には、赤紅色をした目立つ沢山の蕾を付け

4月上旬には薄ピンク色の5弁の花を咲かせる

樹皮は鱗片状に剥がれ、緑、橙、褐色の印象的な斑模様

葉は卵型で堅く光沢があり、縁に硬い鋸刃が付いている

 

南天(ナンテン)

常緑低木の南天(ナンテン)

ナギ科ナンテン属

1月7日の誕生日木(日本植木協会)

「南天のど飴~♪」咳止めでお馴染み

名前から「難転」→「難を転ずる」に通じることから縁起のいい樹

11月中旬、真っ赤に紅葉した葉と小さな丸い実

綺麗な赤い実は正月飾りや盆栽でよく使われる

和風庭園には欠かせない樹で、下町や古い民家などで見かけることが多い

葉は細長い菱形で革質で表面は光沢があり先は尖っている

赤く染まる紅葉も美しい

樹は火災よけや魔除けの効果があるとされ、裏鬼門の玄関に置くとよいとされている

 

いろは紅葉

常緑高木のいろは紅葉(イロハモミジ)

ムクロジ科カエデ属

11月1日の誕生日木(日本植木協会)

紅葉の王様・紅葉の代表

日本の秋を象徴する樹

春を迎えた3月下旬の伸びた新芽と蕾の写真

4月~5月に掛けて、赤い小さな花を垂れ下がるように咲かせます

8月の青々とした葉

儚く散りゆく前に、最高の美しさに染まる秋

11月中旬の赤く染まった葉

葉の切り込みが5〜9と奇数の切り込みで

それをイロハニホヘト〜♪と数えたことからこの名前がついた

落葉した葉は地面も赤く染めほど美しい

樹皮は平滑で少し縦縞模様が入る淡灰褐色

 

樟(クス)

常緑高木の樟(クス)

クスノキ科クスノキ属

8月1日の誕生日木(日本植木協会)

「トトロ」が住む樹はクスの巨木

推定樹齢1500年「蒲生の大楠」が日本一の巨樹です

熊本県に生育する巨木「寂心さんのクス」

推定樹齢800年で天然記念物

街路樹や公園樹としても多く植樹されているため一般的な樹木

神社仏閣では大木となった樹を見かけることも多い

樹皮は暗い褐色で縦に筋が入る

黄白色の小さな花を咲かす(4月下旬の写真)

雌雄同株で両性花

葉は三本の葉脈が目立ち、ちぎると特徴的な樟脳の香りがする

光沢のある丸い実を付ける

写真は9月下旬の様子

11月下旬には黒紫色に熟していました

木材は旋盤で加工すると樟脳の強い香りがあり、この香りには防虫効果があります

 

巨木のご紹介

1月下旬に撮影した大阪府羽曳野市にある壺井八幡宮の樹

8月下旬に撮影した大阪府堺市にある百舌鳥八幡宮のクスノキ

 

捻木(ネジキ)

落葉小高木の捻木(ネジキ)

ツツジ科 ネジキ属

光沢のある赤い枝に真っ赤な冬芽が美しい
「日本三大美芽」の一つ

名前の由来は、写真の様に樹皮がねじれていることから

樹皮だけでなく材そのものもねじれているため、斧では簡単に割れない

六甲山で見付けたネジキの樹

夏の葉の様子

緑色の小さな実は上向きに付いています

 

欅(ケヤキ)

落葉高木の欅(ケヤキ)

ニレ科ケヤキ属

昔から尊ばれてきた日本人に馴染みの深い樹

日本を代表する巨木の一つ

推定樹齢1000年以上の国指定天然記念物の「野間の大ケヤキ」です

大阪府豊能郡能勢町のケヤキの巨木

樹は扇型に空に向かって美しく広がる

山野に自生する他、公園・街路樹としても沢山植えられているので見かけることが多い

葉は縁には特徴的な鋭い鋸歯がある

紅葉が美しい樹で樹によって葉の色が異なる

樹皮は灰紫褐色で樹齢を重ねると薄い片となって剥がれ落ちる

若木では横に皮目が多く全体としては滑らか

木材としても人気が高く、京都の清水寺にある清水の舞台には186本のケヤキの柱で作られている

神社仏閣の柱の他、和太鼓やテーブルの一枚板、お盆や器に茶筒などでも使われている

 

金木犀(キンモクセイ)

常緑小高木の金木犀(キンモクセイ)

モクセイ科モクセイ属

9月27日の誕生日木(日本植木協会)

歌の歌詞「金木犀の香り~♪」で耳にすることも多い

秋の風物詩といわれる花

オレンジ色の小さな花から漂う甘くて芳しい香りでその存在を気付かされるほどです

公園樹や庭木として植樹されていることが多く

自分の生活している周りにもキンモクセイの樹が沢山あります

葉は鋸刃がほとんど無い

大きな樹になると樹皮が動物のサイ(犀)と似ていることから「木犀」になったと言われている

三大庭木の一つ(モッコク・モチノキ・モクセイ)

 

唐檜(トウヒ)

常緑針葉樹の唐檜(トウヒ)

マツ科トウヒ属

12月13日の誕生日木(日本植木協会)

日本でクリスマスツリーはモミを思い浮かべますが、ヨーロッパではトウヒ(ドイツトウヒ)です

松ぼっくりはよく知る形と違い、大きくて細長い松ぼっくりが垂れ下がるように付いていました

樹皮は赤褐色で経年と共に剥離する

先端が尖らない葉は、長さ7~10ミリ程度で裏側には明瞭な気孔の帯が二本ある